四天王ドクリントン登場!2

科学怪人ジッケーンは、放っておけないヤツだった。他の怪人が勢いだけで作戦を実行するのに対し、ジッケーンは自らの発明品を使用するため、やっかい度が高い。
特にヤツが作る暗黒ダシは、何にでも入れられてしまうため、防ぐのが困難だった。実験台の戦闘員達も苦しむ暗黒ダシは、本当に効果があるのだ、吐き出すほどマズいという意味では。最近では下関のフグが狙われた。
ジャアックの中では比較的インテリ度の高い怪人と言えた。上昇志向もある。しかし、邪悪さはそう感じなかった。

これまで出くわした怪人の中で、一番嫌な感じがするのは暴走怪人ハイガスだ。他の怪人とは、思わず顔を見合わせて笑ってしまう場面があったりするのだが、ヤツに限ってはこの先もそれは有り得ないだろう。ハッキリと殺意を感じる。学年に2人くらいはいる、本当の乱暴者だった。ある意味では、本来のジャアックの姿なのかもしれない。
しかし、本人はそういう雰囲気なのだが、上司に恵まれないのか部下の働きが悪いのか、はたまた本人の頭の回転が今イチなのか、作戦はいずれもパッとしないものだったので、ヒーロー☆コネクションとしても助かっていた。デートスポットにむやみやたらと排気ガスを撒き散らしたり、人力車を装って排気ガスで辺りを覆ったりと、使う手段はとにかく排気ガスだけなので、単純極まりなかった。
問題は、ハイガスの戦闘能力の高さだ。僕が知っている怪人の中では体も大きい方だし、防御力も相当なものだ、。オマケに排気ガスで視界を奪われてしまうことも度々あった。やっと倒した頃には、僕もボロボロになっていることが多かった。
任務メールに「排気ガス」という単語があると、任務放棄したくなる衝動を抑えるのが大変だった。

1月の終わり、僕は初めて四天王と対峙した。バイオ科学部隊総長ドクリントンだった。実際に拳を合わせたわけではなく、言葉を交わしただけだったが、僕は全身に鳥肌が立つのを感じた。話の内容は腰が抜けるほどくだらないものであるにも関わらず、その圧倒的な存在感に気圧されてしまった。
きっかけは、浅草の花やしきで男の子が高い所に上って降りられなくなってしまったのを救出するという任務だった。

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