シャチホコ、シ-サーすり替え事件4

それよりも今はセスナだった。幸い僕は、アルバイトでテストパイロットを経験していた。もちろん多少異なるが、できないはずはないと信じて踏ん張る。事態に気が付いた管制塔からの無線でのフォローもあり、何とか宮崎空港に着陸する事ができた。
宮崎空港からは、レンタカーで移動することにした。
道中、ジャアックのトラックによる妨害があったりもしたが、それも振り切り、名古屋に着いた。
金のチャチホコを名古屋城に運び入れ、取り付けようとすると、そこにはクラゲノムが待ち構えていた。
「待っていたぞ、嘉人! 不甲斐ない戦闘員どもなんぞに任せず、ワシ自らシャチホコを取り戻して何としても暗黒風水を完成してくれる!」
コイツを倒せば、今日の長い任務は終わる。最後の力を振り絞って、宙に浮く怪人と対峙する。
久々の電撃攻撃は体に堪えたが、ヒーロードリンクで凌ぐ。よし、トドメだ!
「ヒーローキーック!!」
「ぐおぉぉぉっ!」
…終わった、やっと。
「おのれ、嘉人めっ! 次こそは成功させてみせるぞ! さらばだ!」
電撃怪人クラゲノムは去って行った。
その間にシャチホコは元の場所に収まっていた。すぐ近くで戦闘が繰り広げられているというのに、名古屋の人は勇敢だ。
「ありがとう、嘉人君! キミのお陰で全て正しい場所に戻ったよ。これはお礼だ。受け取ってくれたまえ」
屋根瓦教授が手渡してくれたものは、シーサーのお守りだった。
任務完了!
夕飯はひつまぶしにしようかな。

END

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