コスモタワージャック ルクレツィアの策略4

ルクレツィアが襲い掛かってくる。もちろん油断はしていないが、とにかく強い。力技ではなく、怪しげな術を使って攻撃してくる。バリアでも張っているかのように、ダメージを避ける。
「くそっ!! ヒーロー☆アターーックッ!!」
小手先の攻撃を止め、捨て身になる。体重を乗せて、体でぶつかりに行く。肘で首の辺りを狙う。
ボスッ!!
「…っ!! ぐふっ!!」
闇の女王は吹っ飛んで壁にぶつかり、ずるずると崩れ落ちる。そこに飛び込んで行くが、突然現れた炎に阻まれた。その時、
「もうよい、ルクレツィア」
どこからか声がした。首筋の強張るような、声の方を向くのがためらわれるような声だった。
「…申し訳ありません、ワ、ワルガッソー様」
「!!」
ルクレツィアから少し離れたところに現れたのは、ジャアックの首領、ワルガッソーだった。実物を見るのは初めてだった。喉が急激に渇く。金縛りにあったように体に力が入らない。
ワルガッソーが近付いてくる。瞬間的に身構えるが、その前に両肩をガッシリと捕まれた。
「フッフッフ。いい体をしておる。お前ジャアックに来い。わしの下で使ってやるぞ」
「ふざけるなっ!!」
必死の思いで手を振り払う。
「ハッハッハッハッハ。解っておる。最近急に力をつけてきたというお前をこの目で直接見ておきたかっただけだ。行くぞ、ルクレツィア!」
「ははっ!!」
「…何? それだけのためにタワーを占拠したというのか?!」
「わしにとっては大事な事だ。嘉人よ、もっと強くなれ。そして自分の力でわしのところまで来い! 楽しみにしているぞ!」
そう言うと首領とその頭脳は背後に現れた闇の中へ消えた。
「待て!」
僕の声は虚しく響くだけだった。

「感度はどうだ、ルクレツィア」
「はっ、良好です、ワルガッソー様。作戦は順調に進んでおります」
「当然です、ワルガッソー様。私めが手ずからお作りいたしましたから」
「…ドクリントンよ、まさかジッケーンに作らせたわけではあるまいな?」
「滅相もございません!!」

僕はこの後、行く先々で巨大カラスに妨害をされる事になる。

END

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