シャチホコ、シ-サーすり替え事件2

「…シーサーは今も家々を守る大切な…はっ! キミはここで何をしているんだね? 早くあのシーサーを歓会門に返さなくては! そのためにキミに来てもらったんだから。さぁ、早く!」
「……はい」
「ところで、あのシーサーを外そうとするのを妨害するヤツらがいるんだ」
「え?」
「黒くてイーイー言うんだが、邪魔でしょうがない。キミにはあれを何とかして欲しいのだよ」
ど、どうしてそれをもっと早く…! 何とも疲れる教授だ。いや、教授や博士なんていう人種は皆こんなものかも知れないな、経験上。
警備員に事情を話し、敷地の中に入る。ちょうど大型のクレーン車や数台のトラックが到着し、どうやら外からシ-サーを外すための足場を組もうとしているようだった。その時!
「懲りもせず、また来たかイー!」
出た。
わらわらと数人の戦闘員が現れて、作業員を襲おうとする。
「そこまでだ! ジャアック!」
「イっ!? え〜イ、邪魔するヤツはやっちまえイー!」
下から戦闘員を殴り飛ばしていき、ついには屋根の上にまで上った。
「おのれ〜! やってやるイーっ!!」
最後の戦闘員を張り倒す。
「ク、クラゲノム様、お許しを〜っ!」
はぁぁ、クラゲか…辺りを見渡す。眼帯の怪人の姿は見えなかった。
「お〜い、嘉人君、首里城へ行くぞ〜! 警備頼むよ〜!」
…まったく。

僕が戦っている間に、果敢にも作業員の方々はシーサーを無事に取り外したようだった。
名古屋飛行場から、チャーターしたセスナに乗り込み、一路、沖縄へと向かった。
首里城も警備員によって立ち入り禁止になっていた。取り返してきた石の獅子を見せて、中に入る。せっかくの首里城をゆっくり観光するヒマなどもちろんなく、直ちに歓会門へと向かう…守り神がいるべき場所には、台座しか残っていなかった。
「おお、やはりそうだったか。さ、早く取り付けよう!」
一緒に来た作業員を手伝って、重たいシーサーを移動しようとしていると、ゴロゴロゴロ…と、何かを転がす音が近付いてきた。音のする方を見ると、台車で何か大きなものが運ばれてくるところだった。

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